わかりやすく伝えるという価値

先日、サツマイモ基腐病の対策について埼玉県川越地域の生産者を対象に話をしてきました。
私自身、サツマイモの専門家(オタク)を名乗ってはいますが、病害虫対策の専門家ではありませんので、基本的には各所から発表されている資料をベースとして、鹿児島県を視察したり現地の人に聞いたりした内容を織り込んで話すしかありません。

そのため、このお話をいただいたとき、最初は「サツマイモ基腐病については公開資料を読めばたいていのことは書いてある。自分がわざわざ話する意味があるのだろうか?」と思っていました。

ただ研修会が終わった後で、「丁寧でわかりやすい説明ありがとうございました。非常に勉強になりました。」という感想をいただいたとき、これが自分の提供できる価値だと再認識しました。

サツマイモ基腐病の対策の資料も生産者の立場で書かれたものは少なく、たいていは技術的な観点から書かれています。そのため、言葉が難しかったり、現場で扱うには不要な情報があったり、具体的な方法がわかりにくかったりとそのままでは活用しにくい。

そのため、相手にとって(今回は生産者の視点で)必要な情報は何か?どう伝えれば理解しやすいかと考えて資料や説明する内容をまとめました。

一方、3月末まで進行管理役として関わっていたスマート農業実証プロジェクトでは、現場からあがってきた結果を、国や研究機関に説明できるように報告書にまとめる必要があります。

もちろん私一人ですべてを書き上げたわけではありませんが、各担当者が書いてきたデータや実施内容・検証結果の整合性、各論の間で齟齬がないかどうかなど、全体を通して筋が通った理論的な文書に仕上げました。

自画自賛ではありますが、農業の分野でこのようにいろいろな立場から情報をまとめて、資料を作成して、説明できる人って非常に少ないと思います。

私自身の価値は「いろいろな立場(側面)から、わかりやすく伝える」ことにあるのではないか?
最近、このように考えて、あらためて情報をまとめて発信することに力を入れていきたいと思っています。