品種情報を付与した農産物流通の仕組みを考える

スーパーのPOPには「さつまいも」とだけ書かれていて、さらに「天ぷら、ふかし芋、大学芋…」と書いてあります。箱を見ると「紅はるか」と書いてあります。
さつまいもに詳しい人だとわかりますが、「紅はるか」は「天ぷら、大学芋」に適さない品種ですし、ふかし芋ではなく焼いものほうが美味しくいただけます。

昨今、トマト、イチゴ、リンゴといった農産物は、スーパーなどでも品種名で売られていることが多いです。これらは単体の商品価値が高く、品種と産地、製法による差別化=ブランドで価格が大きく異なりますので、流通側も導入しやすいです。

一方、品種による違いが意識されておらず、価格に影響することが少ない農産物については、わざわざ品種による分別を流通側も導入するメリットがありません。

私は大学で育種を勉強していたこともあり、品種に特別こだわりがあります。
品種の特性が活かされていない販売方法には、以前からなんとかならないものかと思っていたところ、一年ぐらい前に有志の集まりに誘っていただき、そこで「品種情報を付与した農産物流通の仕組みを考える」ことをやっています。

オープンな次世代食・農情報流通基盤Nober(農場)「シン・ノーバー」

この思想に基づいてサツマイモナビというアプリケーション(サービス)も、まだ未完成ですが公開しています。

まだまだこれからの取り組みです。農業や食に関わることは、雑多な情報が多く整理されていません。情報の流通を整理することだけでも意味があるのではないかと思っています。