植物工場の現状と展望についてお勉強してきました

東京農工大学にお邪魔して植物工場についてのお勉強をしてきました。

前半は東京農工大学の先生による「植物工場の現状と展望」についてのご講演。
天然光/人工光/混合型の植物工場の事例や、海外での事例をご紹介いただきました。

こちらの研究室では、ブルーベリーの植物工場を研究されています。果樹の植物工場は珍しいですね。
太陽光と人工光の組み合わせや温度管理によって擬似季節を生み出し、通常は1年に1回しか収穫できないブルーベリーを年2回収穫できようにしたそうです。(なんとなく植物が酷使されているみたいでかわいそうに感じましたが…)

また、品種の選定や細やかな栽培管理による収量の3倍化を目指し、トータルで通常の露地栽培に比べて年当たり6倍の収量を目指しているとのことです。

講演後は実際に植物工場へ。
内部は写真にて紹介NGだったので言葉での説明のみですが、外側からみえる温室部分の下に、人工光を使った栽培室があり、そこで春・秋・冬を作り出しています。

ブルーベリー摘み&試食もさせていただきましたが、冷凍物とは格段に違い、もぎたてのブルーベリーは美味しかったです。
生で食べられるのであればイチゴなどの他のベリー類の代替商品になると感じました。

講演&視察の後は懇親会もありました。
植物工場の注目度の高さからか、様々な立場・団体の方が参加されていました。

植物工場に対する感想

植物工場というと人工光、という考えだったので、今回天然光を利用した施設を見ても、植物工場というか温室では?というのが正直な感想でした。
個人的にはある程度オートメーション化されていないと植物工場とは言えないのではないかと思うし、やる意味がないのでは?と思います。

この研究室でやられているような果樹栽培を施設園芸でってのは個人的には初見聞で、研究的には面白いけど、生育にスペースが必要となるため、非効率な部分が多くなると思わる。事業化して採算を考えると厳しいと思う。(試算上、採算がとれるためには6倍化しないとダメらしい)

植物工場すべてにいえるが、初期投資とランニング費用に見合った売り先の確保が一番難しい。植物工場で育てられたということが付加価値になるかと言われれば、あまり大きな付加価値にはならないと思う。
例えば、「洗わないで食べられる」というのは、水が不足している地域だと大きな利点だが、日本においては利点は感じられない。

いわゆる工場というのは、安く大量に作ることが目的であるところがほとんどです。
植物工場でなければならない理由がなく、周辺技術も含めて過渡期なんだと思います。一番はやはり人件費の削減、つまりオートメーション化の技術が進まないと成り立ちにくいのでは?と感じています。