直売所を成功させるには「品質」と「コミュニケーション」を第一に考える

少しずつですが、さつまいもだけではなく食や農業に関する話題も書いていきたいと思います。
まず最初は日本の各地でにぎわいを見せている直売所について書きます。

茨城県つくば市にある「みずほ」という直売所。
数年前の日経ビジネスに成功モデルとして取り上げられていて、記事を読んで感心した覚えがありました。

一番大きな特徴としては、直売所に競争原理を取り入れて、すでに誰かが販売している野菜と同じ品目の野菜を並べたい場合は、より高い値段をつける必要があるというもので、継続的な品質の向上が見込めるというものです。

北海道で視察した別の直売所も、農家さん自身が看板を掲げる小さなブースが集まっているようなところで、とても賑わっていました。たぶん、それぞれに競争原理が働き、より高品質なものをより安く、そして様々なブースが集まることで品揃えも充実というのが大きいと思っています。

もう一つ成功している直売所として、福岡県糸島市にある伊都菜彩があります。
こちらはJAが主体で運営しています。

糸島市自体が福岡市のベットタウンで、夕方以降に家に戻るついで寄りが出来るという立地の良さはありますが、こちらはやはり品揃えの面で大きなアドバンテージがあると感じました。ある意味、品揃えの多さが多様性を生み、品質面の向上に繋がっていると思います。

そして、みずほの直売所と伊都菜彩の共通点は、出荷している農家さんが店頭に経って、お客さんとコミュニケーションをとる機会があるということです。

みずほを立ち上げた社長も本をいろいろ出されているような方で、多くの視察もあるということですが、牛久にも同じように作った直売所はあまりうまくいってないと聞きます。

また、宮崎のとあるJA直営の直売所は、伊都菜彩の担当者にアドバイスをもらって作ったらしいですが、あまり売れ行きは芳しくはなさそうです。
(そもそも立地も品揃えも違うところで、超大型産直市場の立ち上げと同じで成功するわけないよなと思いましたが…)

「品揃え」と「立地」についてはとても重要な要因ではありますが、簡単に解決できる問題ではないので、基本的にはまずは「品質」と「コミュニケーション」だと思っています。

そこに「立地」に合わせた「品揃え」をどうするか?を考える必要があります。
中途半端な品揃えをするぐらいであれば、何かの作物や商品に特化したほうが良いのでは?と思います。

僕は直売所に行った時に、そこの店員の態度を確認し、野菜の選び方や食べ方などを質問をするようにしています。
成功しているところは、やはりそこでの返答がきちんとしています。商品について勉強しているんだと思います。
店員が自信をもって売っているか?わからない場合は農家さんを巻き込んでいるのか?
きちんとしたコミュニケーションがとれるところは強いです。

ただこれは小売や飲食も含めて、サービス業は同じ結論だと思うんですよね。
当たり前のことができていないので当たり前のことができるようになる。
身も蓋もないですが、結局はそれを愚直に出来るのか次第だと思います。