台湾での出会いによりクリアになった さつまいもカンパニーの方向性(後編)

瓜瓜園さんの会社/工場は高雄ではなくお隣の台南市にあるので、台湾新幹線を使って台南に移動しました。日本ののぞみをベースにしているだけあってそっくりでビックリしました。高雄から台南まで600円/15分程度で着きました。

台南駅では先日食品展覧会でお会いした邱さんが車で出迎えにきてくれていて、会社/工場まで案内していただきました。
台南駅からだいたい15~20分程度の距離でした。道中はパイナップル畑が多くみられて、暖かい気候ならではの風景が広がっていました。

さつまいも商品試食

事前にメールにてさつまいもを使った商品の試食がしたいと頼んでおいたのをきちんと覚えていてくれて、会議室に入るとすぐにさつまいもを使った揚げたての商品を出していただきました。

左はさつまいもコロッケ、右は紫さつまいもボールです。
コロッケのほうはタロイモ餡が、ボールのほうには小豆餡が入っています。

左はさつまいもフライ、右は黄金さつまいもボールです。
フライはそのまま美味しくいただけました。こちらのボールにはタロイモ餡が入っています。

こちらは冷凍焼き芋を解凍したものです。味は日本の安納芋に似てネットリ甘いです。

こちらは併設されている店舗でいただいたさつまいもアイスです。
焼いたさつまいもをダイスカットして入れてあります。

どの商品も大変美味しかったです。

さつまいもボールは揚げたてで食べると、ほっこりしていて、中の餡との相性もばっちりで、ついついパクパク食べてしまいます。これ、映画館やカラオケ店のスナックとしてめっちゃ良いと思います。(実際に台湾のカラオケ店に入っているとのこと)

特にアイス!
アイス自体にはあまりさつまいも感がなかったんですが、ダイスカットされたさつまいもの食感が楽しめて美味しかったです。正直、日本で売られているさつまいもアイスよりも断然美味しかったですよ。

台湾ではさつまいもは健康食品

建物の一部にはさつまいもに関する情報の展示ルーム、さつまいもを使った料理ができるDIY教室、が設けられています。

その中にさつまいもQ&Aというコーナーがありまして、下の写真は一問目の回答です。中国語は私も読めないのではっきりとはわかりませんが、抗酸化作用、動脈硬化に効果あり、GI値が低い、便秘に効くなど健康に良いということが書かれています。

街角で見かけた焼き芋屋さんにも書かれていたように、台湾ではさつまいもは健康のために食べるという人が多いそうです。
日本と同じく、戦時/戦争直後に食べる貧しい食べ物というイメージがずっとあったそうですが、台湾では健康食品というイメージがついてきたことで消費量が年々増えてきているそうです。
このことは、さつまいもカンパニーの目指す「さつまいもを通じた健康的なライフスタイルの提供」に大いに参考になり、目指す方向性が間違っていないと確信したところでした。

さつまいもを通じた産業振興

瓜瓜園さんでは未来のさつまいも産業の形として、6つのことを目指しているそうです。

  1. 農業人材の育成
  2. さつまいもを丸ごと利用する(ゴミを出さない)
  3. サービス業の品質管理を農業に持ち込む
  4. アジア市場へさつまいもを供給する
  5. 産業連携の模範となること
  6. さつまいもといえば台湾を思い起こさせるようにする

6つ目以外は「さつまいもカンパニー」が実現したい/目指したいことと同じ。
日本と台湾という違う国ですが、さつまいもに対する思いが一緒なところはあるんだなーと感動しました。
これら以外にも、上に少し書いた通り、健康食としてさつまいもをとらえていることや、DIYを通じた食育活動も行っており、さつまいもを軸とした事業/サービス展開は非常に模範となるものでした。

最後に邱さんと看板の前で一緒に写真を撮り、来年のFOODEXの際に出展されるとのことなので、その時の再会を約束し、固い握手をして別れてきました。

私は日本人なので日本の農業を支援したいという想いはありますが、それ以上に世界の食糧問題を解決したいという想いがあります。
これは大学進学時に農学部というフィールドを選んだ理由でもあります。

その後、農業に魅力を感じなくなり、仕事は別の業界を選びましたが、独立後にいろいろな出会いを重ね、国際的なつながりを持つようになった今、農業の世界に戻ってきて良かったなーと思っています。