さつまいも業界の価値共創の未来を目指して

「コ・イノベーション経営: 価値共創の未来に向けて」という本を読みました。
様々な示唆に富んでいて、とても濃い内容で参考になりました。
さつまいもカンパニーが目指す「さつまいも業界の価値共創」の在り方についても学ぶことが多くありました。

簡単にまとめると、
事業形態を従来の「B2C」「B2B」という枠組みではなく、「消費者vs企業vs消費者(C2B2C)」と捉え直す必要があり、消費者だけでなく、仕入先、事業パートナー、コミュニティなどと共に価値を共創する時代への今は過渡期である。
また、消費者がお金を払うのは、そのモノの価値ではなく、経験の価値である。
そして企業は一貫した経験を提供するため、対話・利用・リスク評価・透明性を通した共創プロセスを構築する必要があります。

それぞれの内容について詳細な論説が本書の中では展開されていますので、ぜひご興味ある方は読んでみてください。

コ・イノベーション経営: 価値共創の未来に向けて
ベンカト・ラマスワミ
東洋経済新報社
2013-07-19


さつまいもと豚のおいしい関係

サツマイモと豚肉って似ていると思うんですよね。

世界的にみれば貧者や下流の食べ物という印象があり、「ブタ野郎」「イモねえちゃん」など差別用語的な使われ方をしたりと、残念でしょうがありません。
ただ、ともに戦時中など非常時の栄養源として活躍してきたところや、粗放的に育てやすいところも似ています。

最近読んだ本の中には、豚の評価として「これほど人にとって有益で便利な家畜もいなければ、変化に富んだ贅沢な食事を与えてくれる家畜もいない」と書かれていました。
「家畜→作物」に変えれば、そのままサツマイモにも当てはまるんじゃないかと思います。

食糧問題はサツマイモ+豚で解決

以前より『(農業+IT/AI)✕サツマイモ=社会および環境の課題解決』という数式を考えていましたが、持続可能性やタンパク源の確保といった抜けがありました。
ただそこに豚を加えると、『(農業+IT/AI)✕(サツマイモ+豚)=社会および環境の課題解決』という数式にアップデートでき、サツマイモ×豚で健康生活が実現できると思います。

単純に食べ合わせだけの話ではなく、さつまいもは豚の飼料として抜群に良い餌です。
鹿児島県の黒豚、千葉県のいも豚など、さつまいもを食べさせることで肉質や栄養価が高い豚肉が生産できます。

厳しい養豚業界

以前「トウキョウX」というブランド豚の育成者の方にお会いして、養豚業界についていろいろ聞いてきました。
豚の世界もかなーり奥が深いですが、日本の養豚業の将来はかなり厳しい。
このままだと、国産豚は高級品になりそうです。そして血統の世界なので野菜のように単純に海外から輸入というわけにはいかないのが難しいところです。
カロリーベースの自給率を問題にするなら、畜産をなんとかした方が良いと思いますね。

豚とサツマイモについてはこの辺りの本が面白かったです。

力なき志が無力であるように志なき力もまた無力

かつて、柔道家・大山倍達氏はこう言いました。
「力なき正義は無力なり 正義なき力は暴力なり」
それを少しもじって、今回のタイトルとしました。

起業をする人は、なんらかの志をもって始めます。しかし、(私がかつてそうであったように)何度も壁にぶつかることで、自分の無力さを痛感し、情熱を失っていきます。
そして多くの人は諦めます。
私の中では、
志=事業を通して世の中をより良くしたいという思い
力=個人的な経営力・リーダーシップ・人望等、企業としての実績・財力
です。

志の高さも大事ですが、事業である以上は儲けることも重要です。
利益は会社の血液ですから。どんだけ志が高い、かっこいいことを言っていても、利益を出し続け、そして結果的に事業を通して志を達成しなければ意味がないんです。
そして逆に、利益ばかりを追い求めていくと、長期的に従業員・顧客の心が離れ、継続性を失われていきます。

サツマイモ品種の海外流出問題

イチゴに比べるとまったく話題になりませんが、韓国や中国が日本のサツマイモ品種「紅はるか」を、自国だけではなくアジア諸国で作りまくってるという話を耳にします。
知り合いのサツマイモ育種研究者が韓国に行った際に、「こんなに良い品種作ってくれてありがとう」と言われたという、笑えない話もあります。
また、東南アジアでは多くの農地が中国や韓国資本におさえられていて、日本向けのサツマイモ生産は、中国や韓国企業が行っているという話も耳にします。
私自身が目にしたものではなく、人から聞いた話なので、語尾が不明瞭なのは申し訳ありませんが、何人かの方から同じような話を聞くのが、まったく根も葉もないうわさ話というわけではないです。

この件について「韓国や中国が悪い」と騒いでニュースにするのは簡単ですが、なぜこのような問題が発生するのか、どう対処していくかというところまで踏み込んだ議論がないのが、悔しいですね。

本来であれば、世界的にみればサツマイモ先進国である日本が率先して、海外での生産についても取り組むべきだと思ってます。
別に日本人だけが働くわけではなく、現地の方々とともに働くことが必要ですが、これがなかなか日本人にとってハードルが高いのではないか?と感じています。

そう書きながらも、私も海外での展開に踏み込めていませんので、あまり大口がたたけないですが。

農業よりも食に対する考え方を見つめたい

なぜ農業をするかというと食料を生産するためというのが第一の目的だと思いますが、その食の分野がそもそもどうなのかな?ということが、日本の食や農業に関わってきて感じることが多くあります。

もちろん農業自体にもいろいろな問題はあります。
高齢化、休耕地、補助金頼りなど個別の課題は、各地方に数多く存在しています。

ただ、地域の経済事情や土地や文化との結びつきにより、いまのような構造になってしまったので、この出来上がってしまっている今の構造をがらりと変えるのは多くの地域においては無理だと思っています。
地域の妬みや軋轢など、負の感情や作用をすべて受け止めてでも、変えていくという強いリーダーシップをもった人物(が率いる集団)が必要です。

農業よりも食に対する考え方の問題

本当に食にまつわるいい加減な情報を垂れ流す人や団体は多く存在します。
メディア等で流れてきた情報を鵜呑みにするのではなく、正しい情報がどれなのかを判断するためには冷静な目と勉強が必要だと思います。

食に関しては究極的には個人の問題ですから、自分が美味しいと思ったものを食べれば良いと思っています。もちろん、好きなものだけを食べれば良いというわけではなくバランスは大事だと思いますが。

食からアプローチする

最近自覚したのは、自分には「日本の食文化を守りたい、農業をどうにかしたい」という高尚な思いよりも、

  • いろんな食べものや食べ方がある(=食文化がある)のに、人材や流通、食べ方を知らないなどの理由でなくなっていくのはもったいない。
  • 食は世界共通の話題だし、文化を知るうえで重要なファクター。食を通じてお互いの文化を理解しあえる、懸け橋になるのでは。

という思いが大きいなと思いました。

食からの活動が結果としていろいろな農業の諸問題は解決していくのではないか?と思っています。

起業家に一番必要なスキルは情熱を持ち続けること

要はたいていの起業家には情熱が無いのです。
情熱が無い、というと言いすぎかもしれませんが、欲望は感じても情熱を感じないのです。

最初の会社を作ったとき、特にこれという事業を決めずに立ち上げたので、とりあえずなんでもやってみようと、「こういうのをやっている会社はないだろう(少ないだろう)」と思いついたものには色々手を出しましたが、やり始めると意外と似たようなことをやっている会社が多いことに気づきます。
一応、事業プランが思いつくということは、そのことに対する思いや知識があるのですが、とことこやるぞ!という情熱まではないので、先行者に勝てないなーと思うとやる気をなくす…というのが、最近の頃は続いていた気がします。

同じぐらいの時期に起業した人も何人かいますが、ほとんどの人は会社をたたみました。
中には最初から「情熱が足りないので、長続きしないなー」と感じる人もいましたが、事業がうまくいかないと情熱は消費されてなくなってしまうものだと思うのです。
自分もお金がつきかけたときは、ほんと情熱がなくなりかけました…

では自分はなぜ会社を作ったのかと言われれば、僕にしかできない仕事があると考えたからです。

自分が事業をやるうえで取り入れたい軸は「IT×食・農業×海外」の三軸です。
「自分にしかできないことというのは一体なにか」ということを考えた結果、この三軸を組み合わせれるのは自分しかいない…と思うに至りました。
食・農業についてはひとつの解として、幼少のころからの夢だった「さつまいも」に特化しています。ここにITと海外をどう組み合わせていくのかが、さつまいもカンパニーのこれからの鍵となっています。

広い意味で言えば、これも個人の欲望と言えなくもないです。しかし、これは会社を経営する以外の他の手段では決して満たせることのできない欲望です。

起業する人って自分勝手な部分がありますよね。
ある意味、個人の欲望(情熱と置き換えても良い)に、他人を巻き込んでいくわけで。
ただ、巻き込まれるのが好きな人がいるから世の中は成り立っているわけで。

起業家に必要なのは情熱。情熱さえあればなんとかなる気がします。
日々、内なる情熱を燃やし続けながら、目標に向けて進んでいきます。

文中の引用元:情熱は最も貴重な財産である

さつまいもビジネスプロデューサーを目指して

今年になってから「さつまいも好き」な方から続けて連絡をもらいました。さつまいもならではの芋づる式ご縁だと思います。

一人目
さつまいもカンパニーのInstagramアカウントに「さつまいもをこよなく愛していて、すごくすごく働きたくなりメッセージしました」とダイレクトメッセージがありました。
残念ながら関西からでしたが、偶然にも自分の出身地である尼崎市の方。不思議な縁を感じます。関西支部を作った際には、ぜひお願いしたいと思います。

二人目
マルシェで販売をしていたら、FBを見て来ました!という方がいました。ここまではたまーにある話ですが、少し突っ込んで話を聞いたら…さつまいもが大好きでさつまいものことを仕事にしたくて、就活の時に「さつまいも 企業」で検索したら、さつまいもカンパニーがヒットして、ここで働きたいと思いましたとのことでした。

三人目
群馬県のとある農業生産法人代表の方から「サツマイモの生産加工を行っていますが、今後の事業の方向性について相談させてください」という問い合わせが来ました。学生の時からサツマイモが好きでサツマイモ栽培加工を始めたそうです。さつまいもカンパニーの取り組みに参加できることがあれば嬉しいとのこと。

「サツマイモが好きでサツマイモ事業をしたい」という人とのご縁があり、さつまいもを愛していて仕事にしたいが、仕事にできそうにないと諦めている人が日本中にいるということが確信に変わりました。
さつまいもカンパニーは、さつまいも研究者、事業者、ファンをネットワーキングし、(ビッグワードですが)新しいものが生み出せるかを探りながらやっていこうと考えていましたが、「さつまいもビジネスプロデューサー」として今後はもっと加速していきたいと思います。

さつまいもアグリゲーターとして

アグリゲーターって耳慣れない単語かもしれませんが、2013年に経営コンサルタントの柴沼俊一氏らがその著書で提唱した概念で、発売されたのが、ちょうど会社を立ち上げた直後だったので、この本を読んで「これだ!」と思った記憶があります。

その後、あまりアグリゲーターという概念を意識することがなかったんですが、ここ数年の自分の働く上、事業を考える上でのベースとなる考えを思い返してみると、アグリゲーター的なところを目指しているし、そういう動きがだんだんできるようになってきたと思います。

また、昨年はずっと体調を崩していて積極的な活動ができなかったんですが、健康を取り戻すことができたので、日常の出来事や思うところなどの発信を始めてみようかと思いたちました。

ちなみに、アグリゲーターというのは、企業が抱える課題に応じて自らのビジョンを示し、社内外の人材やモノ、技術などを適宜集めてきては、ミッションを遂行・達成できる人です。

プロフェッショナルが特定分野の知識や技術に精通している人材であるのに対し、アグリゲーターにはいくつもの専門性に加え、ビジネスの目利き力やネットワーク、より上位の次元でものを考えてプロジェクト全体を俯瞰する管理能力などが必要となります。

私個人としてアグリゲーターとなるのではなく、さつまいもカンパニーもアグリゲーター的な動きができる会社を今後目指したいなと思っています。


さつまいもオタクと呼ばれたい

専門バカになるな、オタクになれ
最近、読んだ本にこのような言葉がありました。
専門バカの特徴を本から引用すると、

・得意な専門ジャンルが存在する
・その専門ジャンル以外には興味がないので別ジャンルのことは学ばない
・むしろ別ジャンルについては知識がないにも関わらず軽蔑して価値を認めずバカにする

これを「オタク」と呼ぶのではないの?と思うかもしれませんが、オタクはこういう専門バカ的要素を含みつつ、自分の仲間を増やそうとするのが違うところで、これが「布教」するということです。
つまり「オタク」は消費するだけではなく広めようとする行動をとり、熱く語りがちです。ここが一般の方に敬遠される要因だと思います。

世界を変えるのはオタク

さつまいもにも専門家と言われる方々がいらっしゃいます。
専門家はその担当分野について極めることが第一なので、専門知識は誰よりも深いですが、普及活動や啓蒙活動といった情報発信にはあまり興味がない方が多いと感じます(やろうとしてもできないという面もありますが)。

いろいろな会合に出たり、話を聞いたりすると、毎回なんらかの新しい発見があるぐらい、さつまいもも知らないことだらけです。
ただ、自分が知らないことだからこそ知ろうという態度は常にもっていて、知らないことは興奮の源泉であります。

私は今から専門家にはなれませんし、いわゆる専門家の方とは担当する任務が違うと思っています。
これから先のさつまいも産業を盛り上げていくには、オタク気質が必要で、「さつまいもの魅力と可能性を追及し続ける」ことを誓った自分にはピッタリの言葉だと思います。

さつまいもオタクを増やす

格好良く言うと、感性だけではなく面白さを理解できる「理性」と、その理性を支える大量の知識を教養として活かす力「知性」が備わっていることが、オタク気質だと思います。

サツマイモに関して、新商品などの話題がメディアで取り上げられることはあっても、産業について取り上げられることはないため、問題に感じないかもしれませんが、ご多分に漏れずさつまいも産業も様々な課題を抱えています。

これからは、自分だけでさつまいもの魅力と可能性を発信するのではなく、さつまいもオタクと呼ばれる人(呼ばれたい人)を増やすことが、さつまいも産業を振興していくのに必要なことだと思い、このような活動に着手していきたいと思います。