以前、干しいものコンサルティング時に行った原料品種毎の干しいもの成分分析結果です。
糖含量総量や糖度(Brix値)は、タマユタカが一番良い結果だったのですが、実際に約100名に食べてもらった食味調査では、べにはるか>安納いも>タマユタカ=農林5号という結果になりました。
マルトース(麦芽糖)の甘味度(舌が甘さを感じる度合い)は、スクロース(ショ糖)の約3分の1と言われています。なので、マルトースの量に差があっても、ショ糖の量の差に比べると、その影響は小さいです。
無水物基準換算値(食品中の水分を除去した場合の値)をみると、べにはるかが一番高くなっているように、タマユタカに比べるとべにはるかの方が水分量が多いことがわかります。
このことから、干しいもの食味評価はスクロース量、水分量が多い方が良くなることが推測できます。
一方、マルトースが多いタマユタカはすっきりした甘みですし、全体的に糖が少ない農林5号の干しいもは甘さ控えめです。アンケート結果からは1~2割ぐらいの方は、こちらのほうを好まれていました。
現状、干しいもの原料はべにはるかが8~9割を占めるぐらいになっていると思いますが、べにはるか以外でも干しいもにして美味しい品種はたくさんあるので、ぜひ見かけたら食べてみてください。泉が一番おすすめです。